花見川区畑町にある土曜診療、駐車場完備、大型キッズルーム完備、院内バリアフリーのふたむら歯科クリニックです

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予防歯科

ここ最近まで歯科治療というものは「痛みが出たら行く」「詰め物が取れたから行く」「虫歯ができたから治療する」など何かが起きてから歯科医院へ行くという考え方が一般的でした。歯科医師も虫歯を治療するのが仕事という考え方が当たり前だった時代でした。

しかし、歯科疾患は早期に発見し治療することにより重症化を防ぐことができます。そこで近年は「予防歯科」という考え方が一般的です。
痛みが出てから歯科医院へ行くことは虫歯の治療としては普通かと思われがちですが、初期の虫歯や歯周病は痛みや症状がないことが多く、症状が出てからでは治療に回数がかかったり、費用が多くかかったり、場合によっては抜歯になってしまう可能性もあります。

そこで「痛くなる前に予防する」ことが重要になっています。

一番大切なのはご自身がご自宅で行う「セルフケア」、続いて定期的に歯科医院でクリーニングなどを行う「プロフェッショナルケア」です。

虫歯や歯周病予防は毎日のブラッシングが一番重要になりますが、セルフケアだけでは歯垢や歯石を完全に取り除くことはできません。歯科医院で定期的にクリーニングや口腔内検査などの健診を受けて、健康な歯を維持しましょう。

予防歯科で大切なことは3つです。

1.フッ素を口内に残す

自宅でできるセルフケア

  • ・フッ素配合歯磨き剤を使う(900ppm)
  • ・すすぎは一回のみ

プロフェッショナルケア

  • フッ素塗布高濃度のフッ素を塗布して虫歯を予防します。
2.歯垢を残さず落とす

自宅でできるセルフケア

  • ・歯ブラシで歯の一本一本を丁寧に磨く
  • ・食事やおやつなど何かを食べた後は必ず歯を磨く習慣を付ける。
  • ・デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯の隙間の歯垢を取り除く

プロフェッショナルケア

  • スケーリングスケーラーという器具で歯石を取り除きます。
  • PMTCセルフケアでは落としきれていない歯垢を専用機器で落とします。
  • ブラッシング指導お口にトラブルもなく歯磨きに自信がある人でも、意外に磨けていないことが多いです。ひとりひとりのお口に合ったブラッシングの仕方をお教えします。
3.細菌を増やさない

自宅でできるセルフケア

  • ・デンタルリンスなどの殺菌作用のある洗口液で口内の隅々まで洗浄する

プロフェッショナルケア

  • 口腔内診査歯や歯ぐきの状態をチェックします。
  • シーラント歯垢が残りやすい歯の溝などを、あらかじめ樹脂などでふさいで虫歯を予防します。

予防歯科における唾液検査の重要性

予防歯科において唾液検査はとても重要な役割を得ます。
当院ではSMT(Salivary Multi Test)を用いて唾液の性質を検査することができます。
通常の診療だけでは分からないお口の中の状態を把握できるため、虫歯や歯周病の予防にとても役に立ちます。検査方法は少量の水で10秒間うがいをしてもらうだけで終わるのでとても簡単です。

唾液検査項目

検査項目は①虫歯菌②酸性度③緩衝能④白血球⑤タンパク質⑥アンモニアです。

①虫歯菌の量

虫歯のなりやすさの指標になります。
虫歯菌が多いと当然ながら虫歯になりやすくなります。また細菌の数が多いとプラーク(細菌の代謝物)の量も多くなります。虫歯菌が多くなる方の傾向としまして、プラークコントール不良や食生活の乱れ(間食や甘い飲み物の取り方)が考えられます。毎日のブラッシングに加えてフッ素入りの歯磨き粉を使うことで虫歯予防になります。まずは歯科医院でしっかり磨けているかのチェックが大切です。

②酸性度

虫歯のなりやすさの指標となります。
唾液の酸性度が高いと虫歯になりやすい体質であると言えます。
飲食をすることにより我々の唾液は酸性へ傾きます。一般的にpH5.5以下になると歯の表面のカルシウムが溶け始めて「脱灰」という現象を起こすと言われています。そして時間と共に唾液は中性(pH7)へ戻り溶けたカルシウムを再び吸収し、元の状態に戻してくれる「再石灰化」という現象が起きます。唾液が酸性だと再石灰化が十分に機能せずに、虫歯になりやすい状態が続いてしまうことになります。酸性度が高い人は低い人と同じものを食べたり飲んだりしていても虫歯になりやすいと言えます。
体質なので改善は難しいですが、砂糖の含まれる飲み物を飲んだら水で口をゆすぐ、食べたら歯を磨く(水やお茶を飲むだけでも効果あります)ということを意識していただくことにより虫歯を予防しやすくなります。

③緩衝能

虫歯のなりやすさの指標となります。
飲食物により酸性に傾いたpHを中性に戻そうとする能力です。
唾液は飲食をすることにより酸性へ傾き、時間と共に中性へ戻るということを繰り返しています。平均すると30分ほどで中性(pH7)へ戻り再石灰化が始まると言われており緩衝能の値が高いと唾液が早く中性に戻るため虫歯になりにくくなります。ただこの値は唾液の質だけではなく、唾液量にも比例するため分泌量が少ない場合だと数値は悪くなります。唾液量は年齢や服用中のお薬、ストレス、疲労などで著しく変化しますので注意が必要です。
唾液の分泌量を上げるためにもよく噛んで食事をし、唾液腺マッサージなどで唾液量を増やしてあげることも有効です。

④白血球

歯ぐきの炎症状態の指標となります。
白血球とは人間の身体に備わっている免疫細胞の一種です。主に怪我をしたり腫れたりした時に防御反応として血液の中に浮遊している白血球が集まって細菌やウイルスと戦いやっつけてくれます。唾液中に多くの白血球が存在しているとお口の中で炎症が強く出ているということになります。お口の中の炎症は「歯肉炎」「歯周病」の2つが原因となります。(親知らずが痛いというのも歯周病の仲間です)
この値が高値の場合は歯ぐきの炎症が強いと考えられるため、その原因を除去する必要があります。歯周病の原因は細菌であり、プラークの中に多く潜んでいます。プラークは古くなると歯石となりその表面にはさらにプラークが付きやすくなります。
まずはしっかり歯石とプラークを除去することで歯ぐきの炎症を抑えることができます。歯石になってしまうと毎日のブラッシングでは落とせないので、歯科医院でプロによるケアが必要となります。

⑤タンパク質

歯ぐきの炎症状態の指標となります。
唾液中のタンパク質が増える要因としましては、細菌が産生するジンジパインというタンパク質が放出されたもの、また歯肉の炎症により細胞が破壊された時に放出されるもの、炎症が起きる時に発生する歯肉溝滲出液があります。タンパク質が多い場合は歯ぐきの炎症が強くなっていると考えられます。
口腔ケアのプロである歯科衛生士によるブラッシング指導により正しい磨き方を覚え、毎日の丁寧なブラッシングに加え、定期的な歯科医院での口腔ケアが重要となります。

⑥アンモニア

口臭の指標になります。
お口の中の細菌の量が増えるとそれに比例してアンモニア量が増えます。
磨き残しによるプラークコントール不良や、食生活(間食)の乱れによりプラークが多く付着すると細菌の数も増えます。
口腔ケアのプロである歯科衛生士によるブラッシング指導により正しい磨き方を覚え、毎日の丁寧なブラッシングに加え、定期的な歯科医院での口腔ケアが重要となります。

以上により唾液検査(SMT)により目には見えない多くの情報を得ることができます。
自分の口腔内の状態を数値化することにより、自分にあった予防方法を知ることができます。
※検査は保険適応外となります。